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3月のつぶやき
総合型地域スポーツクラブへの 「十条台地域クラブ」 の取組
 私たち十条台地域クラブは、平成7年度に文部科学省(当時文部省)が打ち出した「総合型地域スポーツクラブ」の理念や、平成12年度に東京都教育庁が打ち出した「東京スポーツビジョン」に沿って、生まれ育った北区で何が出来るかという事を模索しながら、平成15年4月に設立し運営を始めました。運営の基本理念は、地域の方々が文化・スポーツを通じて集える「場」を創ること、その手段として、地域の学校施設を利用しながら、皆さんが気軽に参加出来るスポーツ種目や文化活動を提案する事業開催を中心に活動しています。

 設立の際に発起人が北区体育指導委員だったこともあり、北区教育委員会体育課より「スポーツを通じた地域コミュニティづくりモデル事業」としての指導者に対する助成システムがあるので、その助成を受けたらどうかという勧めもあり、そのお話に甘えさせて頂き、3年間の期限で区より、指導者個人が助成を受けております。各地域でのスポーツ振興という見地から、小さな集合体・共同体(コミュニティ)が連携を取り合いネットワーク化していく方法は、大都市圏での総合型地域スポーツクラブ設立の目的を達成するには一策なのでは、という思いは当時も現在も持ち続けています。

 活動開始当初は紆余曲折もあり、大小様々な弊害に直面いたしましたが、各学校長のご理解や地域賛同者の支え・体育指導委員仲間の支えなどにより、半年ほどで徐々に軌道に乗り始め、あっという間に2年間の月日が経過しました。この間に学んだ事は、地域には日々のスポーツ活動や自らの生活のゆとりを求めている方々が大変多いこと、けれどもその思いを満たす場の乏しい事が実体として感じられました。それに伴い、区民の施設である学校の体育施設には、旧態然とした使用既得権が存在し、一部の競技者や名目上の使用特権による環境閉鎖を体感しました。この環境が開かれていかない限り、多くの「場」を求めている方々が疎外・圧迫されている実情を改善できないと実感しております。

 現在は、王子第二小学校を拠点に、十条台小学校・十条中学・赤羽中学の体育施設をお借りし、バドミントン・卓球の2種目のスポーツを中心に、文化活動や子ども達に遊ぶ場の提案をするなど地道な活動を行っています。昨今、言われ続けている生涯スポーツの実践は、この様な「場」が確立されてこそ、参加者が何気兼ねなく楽しく時を過ごす空間を創造し提案することが出来るのだと思います。

 区民の目線などという大層な事は言えませんが、少なくとも参加者のニーズに応えられるような、そして参加者の目線に立った活動事業の活性に努力していきたいと思っています。この「場」が北区の中で地域の拠点として成長し、幾つもの拠点が連携しネットワーク化され情報の共有をして、各情報を区民が得やすいように判り易く開示していくことが、大都市東京で築き上げていく「地域スポーツクラブ」の地域存在感を高めていく方策として有効なのでは確信しています。

 クラブでは、具体的にその都度の事業内容を、当サイトを通じて情報開示しています。今後も継続して情報の公開に務めてまいります。

「十条台地域クラブ」 の今後の展望
 十条台地域クラブの活動プログラムの決定などについては、広範な公益性を持つための幅広い意見の収集や地域の要望を参考に、汎用なクラブスタイルを目指し、前記に示した外部指導者の導入や、意思決定での学識経験者からの意見傾聴など独善的運営とならないよう出来るだけ工夫をしております。

 地域スポーツの再興という事では、地区児童館での自主スポーツクラブの活動や、中学校区での部活動・学校PTAスポーツサークル活動なども大きな課題となり、一元的に実施・運営出来るクラブを作る事を目標としております。

 北区体育行政に対しては、北区初の地域スポーツクラブスタイルとして発足し、今も尚、多様なニーズ需要に対して、常に新しい試みを実践している十条台地域クラブの活動へのご理解ご協力をお願いすると共に、総合型地域スポーツクラブの設立・育成を目的として新たに誕生した北区地域スポーツコーディネーターの派遣や協力を仰ぎたいと思います。

 モデルサンプルとして、現在、十条台地域クラブ公式サイト上で提供している情報以外にも、今後北区内で設立を目標としている各地域クラブへの協力も惜しまない所存です。つまり、他地域での地域スポーツクラブが育たなければ、十条台地域クラブの活動も活性されません。相互に育ち、刺激し合える環境をクラブ員そしてスタッフは求めております。
 by Gori
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