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10月のつぶやきA
「地域型スポーツクラブ」への考察4
近隣区のスポーツ振興の現状を紹介
【荒川区の社会体育】
 荒川区の社会体育事業の案内としては、区が発行している 「あらかわの社会体育」 に概要が示されています。
 特色としては、20年以上も前から続いている、地域開放型スポーツ事業
「スポーツひろば」 があり、健康増進法施行後は、この事業と健康推進事業を組み合わせた活動の場として、スポーツひろば会場のいくつかが、健康づくりの会場に転換といった試みも行われています。
 会場の運営は、体育協会指導者・体育指導委員・地域開放推進委員などが担当していますが、区の事業として位置付けされている物を、体育協会や体育指導委員が連携をしながらバランス良く実施されています。

 学校施設使用については、登録団体申請をする事で、区民利用は原則
無料で開放されています。単位学校毎の運営委員会がチェック機能を有し、調整を図っていますが、体育協会や体育指導委員の存在価値も示されており、地域スポーツの振興に貢献しています。
 尚、区立体育館は公設民営の形で運営委託がされています。
【豊島区スポーツ振興について】
 豊島区では、スポーツの振興の在り方を3つの段階を通して、スポーツ指導者並びスポーツ参加者が、どの様な活動を展開すべきなのかについて、体育協会主導型のシステムで解決を図ってきました。それは学校開放及びスポーツ少年団から「総合型地域スポーツクラブ」への移行をスムーズに行うべく、体育協会の下に 「育成協議会」 を設け、具体的実践については実行委員会が行うという組織体系を構築しました。

@ 学校の適正配置による統廃合での学校施設使用や学校開放の在り方に、育成団体としての「スポーツ少年団」の活動を地域に対して提案し、地域住民の主体的な活動に結び付けるべく、総合型地域スポーツクラブ設立の基礎を、体育協会としての指導力と地域住民の運営との協働で実践しています。
A コミュニティ振興公社と街づくり公社が統合し、(財)としま未来文化財団が発足しました。スポーツ及びレクリエーションの振興に関するものは、旧然のコミュニティ公社の事業を引継ぎ、委託を受けた区内3体育館をはじめ、社会教育会館の施設管理運営のほか、文化・スポーツ及び健康に関する事業を展開しています。
B 行政の社会体育事業については、区民体育大会、区民レクリエーション大会、体育の日記念行事としての各体育施設無料開放等があります。新たな取り組みとしては、「地域区民ひろば事業」 がありますが、これまで年齢や使用目的により制限のあった施設を、地域に密着した視点から見直し、「小学校区を基礎的な単位とした地域コミュニティづくりのための施設として再編していく…」というもので、区の施設は地域社会の多様な活動の拠点として利用が可能となりました。
C 地域型スポーツクラブ設立という事では、体協の育成支援型のスポーツ少年団と、学校統廃合による地域再編型事業を組み合わせたスタイルで、都内の先駆となった練馬区に近い形で、地域NPOを行政主導型で用意しました。現在は、地域主体の運営委員会を核に、外部の学識経験者の意見なども採り入れ、「地域発信型」の事業を広く紹介している。
D 指導者研修といったものも充実しています。一般区民向けのリーダー研修なども、講習が公認指導者の資格更新単位と認められるように設けられ、参加率の高い研修体制を維持しています。

 地域全体のボトムアップに
「協働・協治」を目的とした事業を画策し、地域の主体的な活動を構築する事に、一貫性が示されてもいます。スポーツ及び文化を唱う地域型スポーツクラブの設立は、地域インフラの整備や既存活動団体等の連携という事に少なからず貢献を示し、スポーツ振興や推進を目的とする体育協会のリーダーシップは、地域NPOとの共同事業や運営会議などを通して発揮されています。
 
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